キャリアか、家庭か。大きな決断を迫られた時、今しかできないことを、今、必死でやる。

キャリアか、家庭か。大きな決断を迫られた時、今しかできないことを、今、必死でやる。

キャリアか、家庭か。大きな決断を迫られた時、今しかできないことを、今、必死でやる。

浦田 薫さん

浦田 薫さん

大村美容専門学校卒業(通信)43歳
福岡県出身 Iターンで長崎へ。
お住いのエリア/長崎市
家族構成/夫、長女、次女
勤務先/株式会社フラクタルデザイン
社歴/8年

Q.現在のお仕事の内容を教えてください。

笑顔になれるスタイルのご提案。

株式会社フラクタルデザインで、スタイリストとしてお客様が喜んでくださったり、毎日が楽しくなるようなスタイルをご提案させていただいています。
社長がすごく理解のある方で、私は娘が2人いるんですが、家事や育児と仕事を両立でき、自分自身楽しみながら働かせていただいています。

インタビュー 浦田 薫さん

Q.長崎県で就職を決めた理由は?

憧れのスタイリストさんが働いていたまち。

私は、生まれたのは福岡なんですが、親が転勤族で、小学生の頃は佐世保に、中学生の頃は長崎に住んでいました。なので、長崎は全く知らない土地というわけではありませんでした。
佐世保にいた頃、いとこのお姉さんの同級生にカッコイイ女性のスタイリストさんがいて、憧れていました。私がスタイリストを目指したのは、その人がきっかけだったんです。高校生になって福岡に戻り、卒業後は福岡の美容室に就職したんですが、その時も憧れのスタイリストさんとは連絡を取り合っていたんですね。ある時、「どうせなら大きな店舗で頑張った方がいい」とアドバイスをもらって、その方が若い頃に働かれていた佐世保の美容室にお世話になろうと決めました。

インタビュー 浦田 薫さん

Q.佐世保から長崎へ移られたいきさつは?

結婚を機に、一大決心。

結婚を機に長崎へ来ました。30歳の時です。実は、かなりの一大決心だったんです(笑)。
佐世保の美容室にお世話になったのが20歳で、初めは美容師の免許を持っていなかったので現場に出ながら通信制の学校で免許取得を目指していました。一般の専門学校だと2年で免許が取れるんですが、通信制だと3年かかります。一見遠回りのように見えますが、実は働きながら勉強する方が、実践も理論も一度に学べるので即戦力になりやすいんです。
そして、22歳でスタイリストとしてデビューすると、もう仕事が楽しくて楽しくて、どんどんのめり込んでいきましたね。「他のスタッフに負けたくない」という気持ちもありましたし、「もっとスキルアップをしたい」と、夜は外部で着付けのレッスンも受けていました。頑張った甲斐もあって、着付けのコンテストでは九州2位の成績も収められました。全国大会への切符ももらったんですが、その時はもう長崎に行くことが決まっていたんです。旦那さんが一生懸命私を説得して(笑)、全国行きをやめて、長崎へ来ました。

Q.長崎へ来る時、心の葛藤はありましたか?また、長崎へ来ようと決心したきっかけは何ですか?

キャリアをとるか、家庭をとるかの選択。

葛藤はもちろんありました。
当時、佐世保で10年間働かせてもらっていて、私についてくださっているお客様もいらっしゃいます。それが、長崎に行くとなると、そのお客様たちと離れることになるわけですね。別の土地に移って、ついてくださるお客様がまったくいない状態から始めるというのはスタイリストの業界ではなかなか考えられないことなんです。大げさではなくて、キャリアをとるか、家庭をとるかの選択を迫られました。
結果として、私は仕事をきっぱりと辞め、家庭をとる判断をしました。そのきっかけとなったのは娘の存在です。長女の子育ての時は、私はバリバリ働いていて、子どもとあまり一緒にいることができませんでした。幸い、その頃には実家も佐世保にあったので子どもを両親に預けられてはいたのですが、一緒にいられないのは苦しい・・・、でも仕事は楽しい・・・と、モヤモヤした状態ではあったんですね。
そして、長崎へ行くことになった時には、次女がまだ小さくて。しかも、今度は両親も近くにいないんです。長女が小さかった頃にはあまり一緒にいられなくて苦しかったから、次女とはたくさん一緒にいたくて、「子育てを頑張ろう」と思いました。
「子育ては、今しかできないことなんだから、今、一生懸命、必死に楽しもう」と。

インタビュー 浦田 薫さん

Q.一度やめられた仕事に現在は復帰されていますが、その経緯は?

子育てしながら働くことができるモデルケース。

本当に社長の理解のおかげです。
私が34歳の時、次女が幼稚園に上がると少し時間に余裕ができたので、まったく別の業種でパートに出ようと考えていたんです。そんな時、街で偶然スタイリストの先輩とお会いして、今のお店の社長に私のことを話してくださったんですね。
私は、子育てをしながらスタイリストの仕事をするのは厳しいと尻込みをしていたんですが、後日提示された条件がウソみたいにいい条件で。半信半疑で社長とお会いして話を伺うと、「スタイリストは女性が一生続けられる仕事なのに、結婚・子育てでやめてしまうのはもったいない。子育て中はある程度緩和された条件で働いてもらい、子育てが終わってからバリバリ働いてほしい。浦田さんには、そういう働き方のモデルケースになってほしい」と言ってもらえて復帰を決めました。

Q.お仕事のやりがいを教えてください。

全部自分のため、だから楽しめる。

好きな仕事ができていることが何よりも嬉しいです。
自分の提案するスタイルでお客様が喜んでくださったりした時には、その笑顔のために自分が役立てていると思えて、すごくやりがいを感じます。
考えてみると、私は全部、自分のために何かをしているのかもしれません。
仕事でも、お客様の喜ぶ顔を「私」が見たいから、日々勉強もするし、頑張りたいと思います。子育てに関しても、子どものためというのももちろんありますが、子どもの笑顔を「私」が見たいからという思いも強くあります。
そんな考え方ひとつで、仕事でも、家庭でも、楽になったり、楽しめたりすると思いますし、やりがいも感じやすくなるのではないでしょうか。

インタビュー 浦田 薫さん

Q.休日は主に何をして過ごしていますか?

自分がやりたいことをやる。

子育てと家事が中心の休日ですが、身体のメンテナンスや心のメンテナンスなどの時間は大切にしています。また、仕事の勉強というほどのことではありませんが、スタイル作りの動画を見たりもします。
すべて、自分のやりたいことをして過ごすのが休日のスタイルで、決まった過ごし方はありませんね。

Q.ライフスタイルの割合を教えてください。

「子育て」、「家のこと」、「仕事」、「家族の時間」、「自分のための時間」と、ライフスタイルで大切に思うことはありますが、割合となると難しいですね(笑)。
というのも、やりたいことをすべて最優先してやっていますので。子育ても、家のことも、仕事のことも、家族の時間を持つことも、全部自分のやりたいことですし、それをやっている時は、それが100%なのかもしれません。

Q.長崎で暮らして、良かったことを教えてください。

ウィンドウショッピングより、食べ物が充実している方が大事。

子どもの頃、福岡から長崎に来た時の印象は、「星がめちゃくちゃキレイ」でした。
大人になった今、海や山、夜景など、景色や自然が素晴らしいのはもちろんですが、食べ物(特に魚や野菜)が安くて美味しいのが嬉しいです。
確かに福岡は、お店もいっぱいあって楽しいところだと思いますし、好きですけど、ただ私にはウィンドウショッピングよりも食べ物が充実している方がありがたいです(笑)。長崎はコンパクトな街で、すぐに繁華街に出られますし、商店街も近く。道の駅もたくさんあって、新鮮な食べ物がどこででも安く手に入れられるので助かっています。
あと、人が優しい。以前、子どもが和太鼓の習い事をしていた時に、地域の方がお世話をしてくださって嬉しかったです。全然知らないおじいちゃんが場を仕切っていたりしてびっくりもしましたけど(笑)。

Q.長崎で暮らして、困ったことを教えてください。

道が細い。

道路に関してですね。妙に細かったり、一方通行がやたらとあってわかりづらかったり、不慣れな人にはちょっと大変かもしれません。

Q.これから、長崎で暮らそうとしている若者にエールをお願いします。

癒されたり、楽しんだり、ゆっくりしたり、いろんな長崎があります。

長崎は田舎だなぁ、というのが私の最初の印象でしたが、住めば都ですね(笑)。
山や海、温泉、食べ物、お祭りなど、自分が癒されたり、楽しんだりできる場所はいっぱいあります。
また、人が人懐っこいのも長崎ならでは。
その土地土地でいいところはたくさんありますが、特に長崎はさまざまなところでほっこりできます。
各市町村ごとにもそれぞれ特徴があって、違いを感じたり、自分の好きな場所を見つけたりするのも楽しいかもしれません。

インタビュー 浦田 薫さん

取材日/2020年12月11日 取材は、ソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行なっています。