住み慣れた長崎は、子育てもしやすく、女性ならではの視点で働ける環境も広がっています。。

住み慣れた長崎は、子育てもしやすく、女性ならではの視点で働ける環境も広がっています。

住み慣れた長崎は、子育てもしやすく、女性ならではの視点で働ける環境も広がっています。

森 麻衣子さん

森 麻衣子さん

33歳
結婚を機に石川県へ。その後Uターンで長崎へ
お住いのエリア/大村市
家族構成/父、母、息子
勤務先/株式会社ナカムラ消防化学
社歴/2年

Q.長崎県で就職を決めた理由は?

子育てのことを考えると、やっぱり住み慣れた長崎で。

自分が育った、住み慣れた土地で子育てをしたいと思ったからです。
私は、石川県で暮らしていた経験があるんですが、他県で暮らしてみて初めて、「環境の違いで、こうも気の持ちようが変わるのか」と知りました。例えば、冬。長崎だと、雪が降ってもすぐに溶けてしまいますよね。子どもの頃は「積もらないかな」なんて思って、雪が降るだけで結構ワクワクしていたんですけど、石川だと逆なんですよ。「早く溶けて欲しい」と思うようになって、雪が嫌いになりましたね(笑)。夏も、長崎は真っ青な空に入道雲が鮮やかなんですけど、向こうではいわし雲で、入道雲は見ませんでした。
もちろん、石川県には石川県のいいところがたくさんあるんですが、長崎が故郷の私にとっては、「長崎は自然に恵まれているんだ」と感じました。
また、他県では保育園の受け入れ待機がニュースになるほど待機児童が問題になっている中、長崎ではすんなりと子どもを保育園に預けられることも嬉しいですね。両親も近くにいてくれますし、私にとっては子育てがしやすい環境です。

インタビュー 森 麻衣子さん

Q.Uターンで帰ってきたとき、仕事探しに苦労はありませんでしたか?

苦労というより、むしろ歓迎された感覚です。

仕事探しで苦労したという感覚はありません。長崎に帰ってきて、4年半ほど事務職のパートとして働いていたんですが、「社員として働きたい」と別の仕事を探しました。パート先で準社員の話もあったんですが、事務職ではなく現場に出たいと考えていたので、ポリテクセンター長崎で消防設備点検の資格を取得したんです。そこでナカムラ消防化学を紹介してもらって採用していただきました。
後から社長に聞いた話なんですが、私が入社するとは実際のところ思っていなかったそうなんです(笑)。消防設備の業界は、まだ男社会のイメージが強くて、女性は敬遠するんじゃないか、と。
ただ、「そんなイメージを払拭したい」、「今は男性の物の考え方しかないからこそ、これからは女性ならではの視点が必要」との社長の熱意を感じましたし、私も力になれると前向きになりました。
なので、必死になって仕事を探したというより、歓迎されて仕事に就くことができたという感覚ですね(笑)。

インタビュー 森 麻衣子さん

Q.現在のお仕事の内容を教えてください。

消防車、消防設備、防災備蓄品の知識をフル活動。

ナカムラ消防化学には、消防車事業、消防設備事業、物販事業の3事業があります。1年前までは、消防設備事業において、各施設に設置された火災報知器や消火器などの保守点検業務を行なっていました。
そして、そこで得た基本的な知識を生かし、現在は営業活動を行なっています。具体的には、消防署や消防団への車両の提供、行政への防災備蓄品の提供、公共施設や民間施設を含め消防設備点検のご提案などです。
営業活動においては3事業の全ての知識が必要なんですが、加えて重要なのは情報収集なのではないでしょうか。お客様のご要望をいかに引き出すかが大事だと思います。
例えば、消防車事業。国の認可を受け、消防自動車の製造を行なっている企業というのは、九州では弊社だけなんです。完全な売り手市場かと思われるかもしれませんが、お客様のことを考えるとそうではないんですね。消防自動車は出動しないことが一番いいことなんですが、ただ、一度出動すると、1分でも1秒でも早く現場へ急行することが求められます。そのためには、大型のものがいいのか、小型のものがいいのか。どういったカスタムが必要なのかなど、地域によって、扱う人によって様々な意見があります。お客様のご要望を実現するためには、やはり私たち営業が現場の消防隊員の意見を聞く必要があると思うんですね。そういった活動の積み重ねが、やがて信頼となって、次の仕事へとつながっていくように感じます。
また、カラーコーディネーターの経験を生かし、お客様へ商材を紹介するための企画資料づくりも行っています。

インタビュー 森 麻衣子さん

Q.お仕事のやりがいを教えてください。

公益性の高い仕事に、女性として力を発揮できています。

仕事内容は、一般の方はご存知ないニッチな仕事なのですが、実際に働いてみると本当に充実していて、何から話していいのかわからないくらいです(笑)。
言えることは、陰ながらですが人の役に立てる、民間企業の中でも非常に公益性の高い仕事だということですね。近年では地震や異常気象が増えていて、災害が決して他人事ではなくなっていると思います。

大村市においても、昨年豪雨被害がありました。避難された方も大勢いらっしゃいましたが、避難所等で私たちが搬入した簡易ベッドが活用されていたりすると、大変な時に少しでも力になれているようで、気持ちを強く持てました。
コロナ禍の状況においては、パーテーション等の活用でも皆さまのお役に立てているのかなと感じていますし、会社としてマスクを大村市に寄贈させていただくなど地元に貢献できるように取り組んでいます。
また、自分の活動が認められたと実感できたときも嬉しいですね。営業活動では情報収集が大切だと言ったように、私は色々な方とお話しするように心がけているんですが、私の提案がお客様に採用されたときなどは本当にやっていてよかったと思います。

インタビュー 森 麻衣子さん

そして、私自身、少しでも会社に貢献でき、女性が活躍できる場を広げていけているとすれば幸せです。
ナカムラ消防化学は、3年ほど前からダイバーシティ推進に力を入れていて、それまでは男性の職場だったというのは先ほど話した通りです。男社会に女性の私が入って、当初は男性スタッフも戸惑っていたらしいんですけど(笑)。でも、例えば清掃用の拭きものを、男性は使い回しするのに、女性は毎回洗うとか。他にも、次の日の準備を前日に終わらせておくとか、取引先にお礼のメールを入れるとか、「女性ならではの細かな心配りがいいね」と言ってもらえるようになって。私にとっては当たり前のことだったんですけど(笑)、それが現場での当たり前になって、次の営業につながると評価してもらえることはとても嬉しいことです。
「日中、自宅にいるのは女性が多いから、男性が訪問するよりも、女性が訪問した方がいいよ」と社長も言ってくれるように、私であることの強みを活かして働けていることにやりがいを感じます。

インタビュー 森 麻衣子さん

Q.休日は主に何をして過ごしていますか?

普段、一人では行かないような場所も子どもと一緒に楽しんでいます。

休日は子どもとの時間を最優先に過ごしています。普段は仕事をしている関係で、ゆっくり子どもの話を聞く余裕がないので、休日に埋め合わせしているイメージでしょうか(笑)。
西海市の尻久砂里海浜公園や長崎市科学館、九十九島の海きららなど、最初はゲームばかりして外に出る機会が少なかった子どもを、外に連れ出す目的で行っていた場所も、今ではすっかりお気に入りスポットです(笑)。
あとは、地元なので友だちも多く、よく女子会もやります。今はコロナ禍なのでできていませんが、以前は月に1回のペースで開催していました。気の合う仲間とお酒を飲む時間は、気持ちの発散ができて仕事とのバランスもとりやすいです。

Q.ライフスタイルの割合を教えてください。

難しい質問ですね(笑)。
気持ち的には、100%子どもとの時間です。今しかないので。
ただ、現実的には家のことや仕事のことも大切で、優先度はつけられません。自分の時間については、これから考えていきたいと思います。

Q.長崎で暮らして、良かったことを教えてください。

美味しい食と多彩なスポット。子育てもしやすいまち。

とにかく食べ物が美味しいこと。アジやサバなどの青魚、イセエビ、カキ、ナマコなど季節ごとに旬の美味しさを楽しめる魚介類は最高ですし、野菜が新鮮なのも嬉しいです。また、原爆資料館をはじめ、ハウステンボスや温泉、九十九島、まだまだたくさんありますが観光スポットが多く、海や自然も綺麗で、子どもとの時間を過ごすうえで行く場所に事欠かないのもいいですね。
特に大村市は、中学生までは医療費が手数料程度に抑えられているなど、子育てがしやすいまちだと感じていますので、本当に良かったと思います。

Q.これから、長崎で暮らそうとしている若者にエールをお願いします。

長崎には、まだ気づいていない魅力がたくさんあります。

長崎には、地元の人が思っているよりもたくさんの観光資源があると思っています。
私自身、例えば西海市の尻久砂里海浜公園や七ツ釜鍾乳洞などはもともと興味がなかったんですが、実際に行ってみたらすごく魅力的で一気に好きになった経験があるんですね。
そんな自然やアウトドアだけじゃなくても、歴史や文化も誇れるものがありますし、他にも生活習慣や美味しい食べ物だったりするかもしれませんが、何かしら自分にフィットするものがきっとあるはずです。
そんな長崎の魅力に気付いてほしいですし、知ってもらいたいと思います。そして、皆さんが感じる魅力を全国に発信していけば、きっと、もっと誇れる故郷になると信じています。

インタビュー 森 麻衣子さん

取材日/2021年3月11日 取材は、ソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行なっています。