長崎の企業だから、1から10まで任せてもらえる。その充実感と故郷のぬくもりに、「帰ってきてよかった」。

長崎の企業だから、1から10まで任せてもらえる。その充実感と故郷のぬくもりに、「帰ってきてよかった」。

長崎の企業だから、1から10まで任せてもらえる。その充実感と故郷のぬくもりに、「帰ってきてよかった」。

下田 隆生さん

下田 隆生さん

32歳
長崎県出身 福岡の大学を卒業後、県内就職。
お住いのエリア/諫早市
家族構成/妻、子
勤務先/株式会社三基
社歴/10年

Q.長崎県で就職を決めた理由は?

ずっと暮らしていく場所だから、やっぱり地元がいい。

学生の頃は、正直なところ就職のことをぼんやりとしか考えていませんでした。絶対に長崎で就職したいということではなかったんです。
福岡の大学で土木を専攻していて、設計のコンサルタントか施工管理か、どちらの道に進むかを決める時、設計のコンサルタントはCADの図面を一日中見ている仕事だから自分には性格上向いていないのではないか、やっぱり施工管理の仕事の方が良いのかな、と考えていたくらいです。
ただ、施工管理の仕事で大きな会社に就職すると、日本全国飛び回らないといけないのが嫌だなとも思っていました。父が県の職員で、土木関係の仕事をしていたので転勤も多く、私も転校の繰り返しでした。今思うと、幼少期の友達関係は少し薄かったのかなと感じますし、もしかするとその頃から「自分が家庭を持った時、腰を据えて生活したい」とどこかで思っていたのかもしれません。
「その場所でずっと暮らしていきたい」と考えると、できれば住みなれた地元がいいと思いましたし、その上で、「全国を飛び回らずに、地域に根付いてできる施工管理の仕事」を探しました。随分と悩んだのですが、運よくこの会社に大学のOBの方がいらっしゃってご紹介していただきました。

インタビュー 下田 隆生さん

Q.現在のお仕事の内容を教えてください。

海と陸をつなぐ港湾土木の施工管理技師。

現在は、長崎市の軍艦島の横にある高島で壊れた護岸を復旧する工事に関わっています。
護岸には、「テトラポッド」と呼ばれるコンクリートの消波ブロックが設置され、押し寄せる波の威力を抑えることで高波などによる災害防止や、海岸浸食防止に役立っています。テトラポッドは、暮らしを守り、陸地を守る重要なアイテムなんです。しかし、現在の高島の護岸では、そんなテトラポッドが波の力で流されてしまっている状態になっています。
復旧工事では、流されたテトラポッドを、元に戻して、さらに新しいものを追加で据え付ける工事を行っています。
私はそこで、1級土木施工管理技士として、施工管理の仕事、工程・品質・出来形等の管理を行う仕事をしています。「管理」と一口に言っても、完成までにはさまざまな工程があり、たくさんの職人さんが作業を行います。テトラポッドを撤去する人や製作する人、海中を確認する潜水士さん、設置する人、設置を確認する人など。そんな職人さんたちのスムーズな作業のために、工程の調整に気を使い、また、職人さんたちとのコミュニケーションを円滑に行うのも大切な業務の一つです。
施工管理技士は国家資格なので、取得するためには検定に合格しなければなりません。簡単に取得できる資格ではありませんが、弊社では週に1回、講習会を受講する制度を設けるなど、キャリアアップを手厚くサポートしています。

インタビュー 下田 隆生さん

Q.お仕事のやりがいを教えてください。

故郷の一部をつくっているのが
「自分の仕事」というプライド。

土木の仕事は、同じものが一つとしてなく、毎回違うものをつくっていくのが楽しいです。
弊社で請け負う工事は大体、半年~2年くらいの工期のものが多く、それぞれ計画に沿って進めているのですが、中には計画通りに進みにくいこともあります。現地の状態が当初想定していたものと違っていたり、そもそも設計通りに進められなかったり。例えば、ある建造物をつくろうとして、街中につくるのと、山の上につくるのとでは注意すべき点が違うんです。街中につくる場合は、騒音対策を考えますし、山の上につくる場合は騒音対策よりも「資材輸送をどうするか」が問題になってくるわけです。
このように、現場ごとに異なる施工方法や手順を悩みながら仕事をして、無事工事が完了したときはやりがいを感じます。
また、それぞれの場所でつくったものが今でも残っていることは嬉しいです。今の工事現場の前は、西海市や大村市、長崎市内で工事をしていて、出かけたときにそれらの構造物を見かけると、当時の様子がフラッシュバックして「あの時はがんばったな~」と、しみじみ思います。
大手建設会社の場合だと、現場も分業制で全てを任せてもらうことは少ないと思いますが、弊社では担当者が1から10まで全部やります。もちろん大変ですが、その分、「ここは自分の場所だ」、「これは自分の仕事だ」と、胸を張って言えることは日々の仕事のモチベーションにつながっています。
土木工事は、人々の暮らしを守り、地域のより快適な未来を目指すものだと思いますが、「自分の仕事」が、皆さんの安全・安心につながっていると思うと、やはりこの仕事をやってよかったと実感します。

インタビュー 下田 隆生さん

Q.休日は主に何をして過ごしていますか?

公園に出かけたり、子育ての本を読んだり、
子どものことを考えています。

私の息子が現在1歳10か月になります。コロナ禍ということもあり、最近は公園などに出かけています。百花台公園や諫早運動公園などは遊具もあって、人混みを避けて家族で楽しめます。調べてみると、山の中などにもメジャーではないですが公園が結構あって、いろいろと行ってみたら楽しいです。その際、環境の整備や構造物などを見て、「何でこうなっているんだろう?」とか、「自分だったらこうする」とか考えがちなんですが、これは職業病ですね(笑)。
また、調べ物も好きになって、本を読む時間が増えました。12月からの2か月で子育て関係の本を20冊くらい読んだところで、自分でも少し変なのかなと思っています(笑)。

Q.ライフスタイルの割合を教えてください。

全てを大切にしたいと思っているので、割合というのは難しいですね。
仕事の時は仕事に集中し、家庭でいるときは家庭でできることを大切にしたい。趣味の時間は趣味に集中です。
調べ物をするのが趣味で、毎朝3時半に起きて、6時まで誰にも邪魔されずに本を読むことに没頭します。
その時々の時間をルーズにせず、しっかり過ごすように心がけています。

Q.長崎で暮らして、良かったことを教えてください。

心強さやあたたかさを感じられる。

就職のことをぼんやりとしか考えていなかったと言いましたが、就職したら、やっぱり長崎に帰ってきてよかったと思います。
周りには友人や知人も多いですし、最近はコロナの影響であまり会えていませんが、困った時には支えてもらったり、楽しいことは共有しあったり、心強い存在です。
また、親が近くにいてくれるのもありがたいと、特に子どもが生まれてから実感しています。私の両親も、妻の両親もどちらも長崎にいるので、子どものお迎えなど必要な時は助けてもらえますし、そもそも、子育てについてあまり心配せずにいられるのはお互いの両親のおかげです。私たちは共働きなので、一層強くありがたさを感じています。
そんな心強さやあたたかさを感じられるところが故郷なんだと、長崎に帰ってきて改めて思います。

インタビュー 下田 隆生さん

Q.長崎で暮らして、困ったことを教えてください。

強いて言うなら、手にとって見たい商品が、
長崎のお店にないことがある。

最近私の母が還暦を迎え、渡したいプレゼントがあったんですが、お店が福岡までいかないとありませんでした。洋服だったのでサイズ感を知りたかったのですが、実際に商品を見られなかったのは少し困りました。
とはいえ、これは特別な買い物でしたし、基本的には長崎のお店にないものでもインターネットで購入できるので、日常生活で困ることはまずないのですが。

Q.これから、長崎で暮らそうとしている若者にエールをお願いします。

何を大切にしたいかを、自分の中で見つけてください。

これから生活をしていく上で、自分が何を大切にしたいかを考えてほしい。
それは、都心でしかできないこともあるだろうけれど、逆に長崎でしかできないこともあると思います。
全国の都道府県別魅力度ランキングでも、上位にランクされる長崎ですから、外から見た長崎は内にいるよりもっと魅力的に映っているのかもしれません。
長崎には、思っているより魅力が溢れているはずで、それがもしかすると、自分が大切にしたい何かなのかもしれません。
インターネットが発展し、SNSも含めていろいろな情報を得ることができる今、調べようと思ったらいくらでも調べられます。
納得のいくまで調べて、大切にしたいことを大切にしてほしいと思います。
その上で、都会を選択するのならばそれでいいと思いますし、長崎に興味を持つのであれば真剣に考えてほしい。
せっかく、いろいろと新しいことに挑戦することができる年代で、いろいろな可能性が広がる時代にいるのだから、一度の人生、後悔のないように歩んでください。

インタビュー 下田 隆生さん

取材日/2022年2月8日 取材は、ソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行なっています。