大切な家族や友人と暮らすふるさとをもっと賑やかでワクワクできる場所へ

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『変わりゆく長崎~100年に一度の変革期~』の2回目です。
昨年11月に「出島メッセ長崎」がオープンするなど、すでに"新しいまちの姿"が見え始めています。
今回は、その最前線で活躍されている方にスポットをあてました。

長崎駅近くに完成したMICE施設・出島メッセ長崎に隣接する「ヒルトン長崎」。県内外からさまざまな利用客を迎え入れるホテルでコンシェルジュとして勤務する田所さんは、東京の大学から新卒で入社しました。ホテル業だけではなく、長崎での一人暮らしも初めて。持ち前の明るさと、接客で人の役に立つ喜びを原動力に、長崎の旅を日々サポートしています。コンシェルジュという仕事内容や、新型コロナウイルスの影響を受けた就職活動、長崎での暮らしなどについて、お話を伺いました。

田所 優希さん

株式会社グラバーヒル ヒルトン長崎

田所 優希さん

コンシェルジュ
長崎県出身 入社2年目

西の端のホテルでお客様を迎えるコンシェルジュ

Q.田所さんはコンシェルジュという肩書きですが、まずは具体的な仕事内容について教えてください。

コンシェルジュはお客様が快適に滞在し、旅を満喫していただけるよう、さまざまなご案内やサポートを素早く、かつ的確に行います。例えば稲佐山へのバスの案内や、軍艦島遊覧船のチケット予約、ご希望のレストランのご案内やご予約など、長崎での滞在に関する幅広いご相談に対応いたします。ヒルトン長崎のフロント横にはコンシェルジュデスクがあり、いつでも気軽にご相談できる環境が整っています。その他の業務としては、最上階のエグゼクティブフロアのご案内や、フロントでのチェックイン・チェックアウト対応などを担当することもあります。

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Q.コンシェルジュと聞くと、何にでも詳しい方というイメージがあります。

私は入社したばかりなので、まだまだ勉強中ですが、限られた時間内でお客様のご要望にお応えしつつ、楽しく会話を重ねて少しでも距離を縮められるよう心がけています。また年末年始などの繁忙期はお店や施設も混み合いますし、新型コロナウイルス対策で営業日時が変更となっている場合があります。そうした際にも素早く調べられるよう、ご相談の多いお店や施設の電話番号を自分でノートにまとめています。
さまざまな場所から訪れるお客様をお迎えする上で大切にしているのは「お疲れ様でございました」という言葉です。県外から西の端の長崎までわざわざいらしてくださる方に、また長崎県内からであっても、感謝の気持ちを込めていつもご挨拶しています。

Q.長崎の情報はどのように収集していますか。

インターネットで検索するだけでは、観光客の方でも知ることができる情報ばかりになってしまいます。定番の観光スポットは自分の足で歩いたり、長崎出身の同期や先輩から地元ならではの情報を聞くこともあります。お客様のご期待に応えるために、自ら学んで日々情報をアップデートしています。

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接客業への想いから偶然巡り合ったホテル業

Q.田所さんは長崎出身で、その後大阪で育ち、東京の大学に4年間通ったそうですね。就職活動の経緯についても教えてください。

私は小さい頃から人と話すのが大好きで、電車でお年寄りに席を譲ったり、観光地でカメラを持った方に「お写真撮りましょうか?」と声をかけたりするのも苦になりません。なので将来は接客業に就きたいと考えて、関東の企業を中心に15社程度エントリーしていました。しかし就職活動が本格化する直前に、新型コロナウイルスの感染が広がってしまい、エントリーしていた企業の採用中止が相次ぎました。それでも接客業に対する想いは変わらず、改めて企業の幅を広げて探す中、ヒルトン長崎の開業に合わせて社員募集をしていたグラバーヒルと巡り合いました。入社したのは2021年4月で、まずは8月末まで「ANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒル」での研修に参加。ホテルでの接客技術やマナーを実際の現場で一から学びました。その後は9月と10月の二ヶ月かけて、荷物の搬入などの開業準備を行いました。

Q.開業は2021年11月。世界的に有名なヒルトンホテルが長崎にできるとあって、かなり注目を集めていましたね。

コロナ禍にも関わらず、おかげさまで多くの方にご利用いただいています。開業当初はかなり忙しい時期もありましたが、その頃から一緒に働いているスタッフは本当に心強くて、安心します。仕事が重なった時も、力を合わせて開業まで乗り越えた仲間の存在に勇気づけられています。周囲のスタッフに恵まれていてありがたいです。

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自ら体感した経験が役立つ仕事

Q.就職とともに長崎に移り住み、一人暮らしを始めたそうですが、生活はいかがですか。

大学では寮生活を送っていたので、最初は誰もいない部屋にいるのが寂しくて不安でしたが、今ではすっかり慣れました。ホテルでの勤務時間は不規則で、シフトによって出勤や帰宅の時間が大きく異なります。一人暮らしは周りに気を遣わず、自分のペースで生活できるので助かっています。 これまで大阪や東京といった大都市で暮らしてきたので、そういった街にはない安らぎを長崎で感じています。時間がゆっくりと流れる、心の落ち着くスポットがいろんな場所にあるのも魅力で、私はよく県庁や大浦周辺の海沿いの遊歩道を散歩しています。港の景色が間近に広がり、県外にも自慢できる場所だと思います。

Q.休日はどんな風に過ごしていますか。

長崎市内を観光することが多く、評判のちゃんぽん屋さんや、ちょっと贅沢なレストランに足を運ぶこともあります。コンシェルジュの仕事はプライベートと重なる部分があり、休みの日に見たり、体験したり、味わったことを、そのまま仕事のご案内に役立てることができます。仕事とプライベートを完全に分けたい人には合わないかもしれませんが、私は一石二鳥だとプラスに捉えて日々楽しんでいます。

Q.最後に、今後の目標を教えてください。

現在は新型コロナウイルスの影響から国内旅行者のお客様が多いですが、今後は海外からのお客様も増えていくと思われます。日本語で丁寧にご案内するのはもちろん、それと同じくらいの丁寧さで、英語でも流暢に対応できるようになりたいです。そして接客をしていると、例えばお客様が滞在期間中に誕生日を迎えたり、記念日にご利用いただくのをその場で知ることがあります。そういった場合に少しでも何かプラスアルファのサービスがご提供できるよう、もっと的確な対応力と判断力を身につけたいです。

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Q.後輩へのエール

私自身、新型コロナウイルスの影響でエントリーしていた企業が採用を中止して、どうすればいいのか途方に暮れた時期がありました。それでも自分の直感や気持ちを信じて就職活動を継続し、コンシェルジュという仕事と日々向き合う中で、今は私に合った道を進むことができていると感じています。正解は一つではないので、何かうまくいかなくても自分を責めることなく、ショックを引きずらないようにしましょう。視野を狭めず幅広い道を検討する中で、きっと自分に合った就職先が見つかると思います。

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取材日/2022年4月26日 取材はソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行ない、撮影時のみマスクを外しています