情報分野の知識を活かして 社内業務のIT化に貢献

情報分野の知識を活かして 社内業務のIT化に貢献

情報分野の知識を活かして 社内業務のIT化に貢献

今回から新シリーズ『ダイバーシティの最先端で働く若者たち』で計4回お届けします。
一般的には、「ダイバーシティ=多様性」とイメージされますが、
多様性が企業経営や企業活動に変化や進化をもたらしていることが重要です。
このシリーズでは、そのような活躍をしている若手社員を紹介します。
第1回は、会社のIT化戦略の中枢で活躍する若手社員です。
就職先を選択する上での新たな発見がこのシリーズを通して見つかるはず。

高校や大学で情報技術の専門知識を身につけた山下真呼さんが入社したのは、諫早市に本社工場を構えるメーカーの有田工業。社内業務のIT化に向けて技術力のある専門人材を募集する中で、採用に繋がりました。山下さんは総務部に所属しながら、社内システムの保守や改修、新しいシステム導入の検討や外部企業との窓口役を担っています。社内からIT化を進めていく取り組みや、就職活動の経験、地元の諫早市での暮らしなどについてお話を伺いました。

山下 真呼さん

有田工業株式会社

山下 真呼さん

総務部 総務課
長崎県出身 入社2年目

老舗企業のIT化を進める中心的な役割

Q.まずは山下さんの担当している仕事内容について教えてください。

総務課に所属して事務作業を行いながら、社内業務のIT化を推進する中心的な役割を担っています。そもそも有田工業は、鉄鋼製品の錆を防ぐ溶融亜鉛めっきの専門メーカーとして、国内屈指の高い技術力が高く評価されています。1954年創業とまさに老舗の企業ですが、近年は社内のさまざまな業務のIT化を目指しています。専門技術を持った人材を募集する中で、私が大学で情報技術を学んでいたことから縁があり、2021年春に新卒入社することになりました。

具体的な業務としては、新しいシステムを導入する際の検討や外部企業との調整をしたり、社内で使用しているシステムの保守・改修などをしています。まだ入社2年目ということもありますが、とにかくやらないといけないことがたくさんある印象です。会社としての歴史が長い分、少しずつ着実にIT化を進めていきたいです。

Q.すでに導入しているシステムや、今後さらなる効率化を目指す業務はどのようなものですか。

社内の情報共有やスケジュール管理を目的に、昨年はアプリケーションソフトのグループウェアを導入しました。使用方法をレクチャーするために社内で勉強会を開くなどしましたが、長く働かれている年配の方などは慣れるまで時間がかかるケースもあり、利便性をうまく実感いただけていない部分がありました。今までの業務に慣れていると、それを変えることに抵抗感を感じてしまいます。なのでまずは私自身が率先して使い、業務のどういった部分が便利になるのか丁寧に伝えて、きちんと理解してもらえるよう努力しています。今後は勤怠システムの効率化を目指していて、外部の業者への委託も含めて上司に相談しながら検討中です。

写真②

Q.仕事のやりがいや、職場環境はいかがですか。

ありきたりかもしれませんが、自分でプログラミングしたシステムがうまく作動した時はとても嬉しいです。学生時代から情報分野を学んできたので、入社後もスムーズに業務に慣れることができています。また毎月発行している社内報の制作を任されていますが、学生時代に興味があって学んだデザインのノウハウを発揮する機会となり、やりがいを感じています。職場環境にもとても満足していて、働きやすい環境だと思います。事務を担当する社員は女性の割合が多いですが、やはり現場作業を担当される方は男性が多く、いつも元気に声をかけてくださってアットホームな雰囲気です。

自分の技術で貢献できる場所を選択

Q.諫早市出身の山下さんは、地元の諫早商業高校から、長崎県立大学情報システム学科に進学。もともと情報分野に関心があったのでしょうか。

小さい頃からパソコンに触れる機会があり、父が詳しいこともあって興味を持ちました。姉が諫早商業高校の情報科で学んでいたこともあり、話を聞いて面白そうだと思い同じ情報科を選択。高校卒業後の進路として一旦就職も検討しましたが、情報分野の勉強は好きでしたし、もっと大学で時間を使って将来やりたいことを探したいと思い、長崎県立大学の情報システム学科に入学しました。大学生活は、今までの学生生活で一番充実していました。情報分野の幅広い領域を学習し、特に情報デザイン分野に関心があったので、インターンシップではデザイン事務所を訪ねました。

写真③

Q.どのようなきっかけで有田工業の採用募集を知ったのですか。

就職活動を始めた当初は情報デザイン分野を志望していましたが、なかなか地元で選択肢がなく行き詰まってしまいました。迷っていた時期に大学の就職課の方からアドバイスをもらい、進路について考え直す中で「自分が学んできたことが少しでも活かせるなら、なんでも挑戦してみよう」と気持ちを一新。情報分野に携わる仕事を広く探す中で、諫早市に本社を構える有田工業の募集を知りました。実際に工場を見学したり説明を受ける中で、社内業務のIT化という誰もやったことがない初めての業務に対してワクワクしたことが志望した理由です。他の多くの学生は都市圏のIT企業に就職しているので、私は珍しいケースかもしれません。

写真④

Q.就職活動に関して、大学のサポートはいかがでしたか。

とても大きかったです。就職課の方には企業を紹介していただくだけではなく、面接の対策でもお世話になりました。またゼミの先生だけではなく、学科のいろんな先生方がアドバイスをしてくださり、気軽に相談できる近い距離感なので助かりました。自分一人では今の進路を見つけることはできなかったと思いますし、就職活動においては、周囲に相談して力を借りることが大切だと思います。

身近な業務から着実に、IT技術の導入を進める

Q.地元で進学して、そのまま地元企業に就職した山下さんですが、諫早市での暮らしはいかがですか。

住み慣れた場所なので、就職しても周囲の環境は大きく変わりません。現在も実家から近い場所に住んでいるので、休日は毎週のように家族と過ごしています。父親と世間話をしたり、母親の手料理を食べたり、そうした何気ない時間を過ごす中でリラックスできて疲れも解消できます。また友人と車で県内を旅行することもあります。諫早市からは長崎県内のどのエリアにも足を運びやすいです。こうした家族や友人が身近な生活は、とても安心感があります。

写真⑤

Q.今後の仕事における目標を聞かせてください。

まずは自分の所属する総務部の業務の効率化を率先して進めていきたいです。その上で、上司とも連携しながら社内全体のIT化を進めていきたいと思います。弊社のIT化はまだ始まったばかりです。今度もやることはまだまだ尽きませんが、社内全体で新しい情報技術を活用できるよう、積極的に動いていきたいです。

Q.後輩へのエール

情報系の学科だからIT企業に就職しなければならない訳ではなく、そもそも私自身、最初からやりたい仕事が決まっているタイプではありませんでした。必ずしも仕事のやりがいを人生の中心に置く必要はなく、働いていただいたお金で自分の楽しいことをする人生も素晴らしいと思います。就職後に自分に任された仕事を続けていれば、どこかで必ずやりがいを感じられると思います。あまり難しく考えすぎず、興味のある企業には気軽にアタックしてみるのがオススメです。

写真⑥

取材日/2022年8月5日 取材はソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行ない、撮影時のみマスクを外しています