グローバルな技術と知識で エネルギーを次世代に繋げる

グローバルな技術と知識で エネルギーを次世代に繋げる

グローバルな技術と知識で エネルギーを次世代に繋げる

『ダイバーシティの最先端で働く若者たち』の第2回をお届けします。
一般的には、「ダイバーシティ=多様性」とイメージされますが、多様性が企業経営や企業活動に変化や進化をもたらしていることが重要です。
第2回は、株式会社イワテックです。
エンジニアリングの知識を持った外国人を採用したことで、海外との取引など効率化が進みました。
ここでは事業を海外展開するにあたって活躍している外国人若手社員を紹介します。
就職先を選択する上での新たな発見がこのシリーズを通して見つかるはず。

長崎市宝町に本社を置くイワテックは、再生可能エネルギーを軸にグローバルな事業を展開。持続可能な循環型エネルギー社会の実現を目指しています。以前から高度な専門知識を持つ人材をインドで現地採用しており、S.ナイアーアキルさんは本社最年少のインド人社員です。太陽光発電分野のシステム設計を中心に担当し、チームで協力してプロジェクトに取り組んでいます。先進的な仕事内容や、インドから来日して入社したきっかけ、長崎での生活などについてお話を伺いました。

S.ナイアー アキルさん

株式会社イワテック

S.ナイアー アキルさん

エネルギーソリューション部 PVグループ
インド出身 入社4年目

太陽光発電のシステム設計を担当

Q.まずはアキルさんの担当している仕事内容について教えてください。

現在は太陽光発電の設計業務に携わっています。発電プラント用のシステム設計や、海外メーカーとのやり取りを担当しており、イワテックのインド支社と連携しながら進めています。もともと機械系エンジニアとしての知識があったので、日本の会社の優れた知識や技術と掛け合わせて活躍できればと考えています。

太陽光発電のプロジェクトはチームで取り組んでおり、長いものだと年単位のスパンになる大型プロジェクトもあります。設計前の実地調査やシミュレーション作成、見積もりなど、仕事の領域は幅広いです。難しい部分もありますが、チームとして意見を交わしながら進めていく中で互いに絆が生まれ、プロジェクトのゴールに達したときには大きなやりがいを感じます。

写真②

Q.現在は新規プロジェクトにも関わっているそうですね。

はい。太陽光による発電と蓄電技術を組み合わせて、工場や事業所で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指す完全自家消費システムです。とてもチャレンジングなプロジェクトで、システム開発をする上ではさまざまな技術とノウハウを組み合わせる必要があります。私は小さい頃から再生可能エネルギー分野のエンジニアになりたいという夢を持っていて、今まさにそれを叶えることができています。次の世代のために何ができるのか考えながら、日々新しい仕事に励んでいます。

インドで学んだ専門技術を日本で活かす

Q.もともとインド出身のアキルさんは、イワテックの求人を現地の新聞で知ったそうですね。約1000人の中から選ばれた5名のうちの一人とお聞きしております。入社までの経緯について教えてください。

インドの大学で機械設計分野を学び、大学院博士課程では地熱に関する研究を行っていました。そのプロジェクトの関連で、インドのアルミニウム会社で半年間勤務。プロジェクトがひと段落ついた後は、公務員として働いていくつもりでした。日本同様、インドでも公務員は安定した仕事とされています。採用試験に向けて準備をしていて、当時はまさか日本に行くなんて予想もしていませんでした。

ある日、インドの新聞の求人欄でたまたまイワテックの採用募集を知りました。そもそも日本語が分からない状態でしたが、小さい頃からの夢だった再生可能エネルギー分野のエンジニアという仕事内容に強い興味を惹かれました。実はこの求人は中途採用の募集だったのですが、自分のフレッシュさとやる気をアピールして、なんとか入社に結びつきました。

写真③

Q.日本に対する来日前のイメージや、実際に長崎で暮らしてみての感想はいかがですか。

日本は国全体が安全できれいで、技術がすごく進歩している国というイメージでした。そして友人から日本人は親切でやさしいと聞いていました。実際に日本に来ると、大きなギャップはなくイメージ通りだと感じます。

現在は長崎市中心部に住んでいて、毎日路面電車で通勤しています。長崎は平和で、落ち着いた雰囲気です。東京などの都会よりも静かで暮らしやすいと思います。またインドで暮らしていた故郷と景色や気候が似ているので、長崎での生活にスムーズに慣れることができました。インドが恋しくなることもありますが、今も毎日のように家族とオンライン通話をしているので寂しくはありません。それに新しい環境で挑戦したいという気持ちで来日したので、仕事も生活も前向きに楽しんでいます。

Q.休日の過ごし方についても教えてください。

仕事が休みの日は、クリケットを楽しんでいます。クリケットはインドでとてもメジャーなスポーツなんですよ。イワテックのインド人や日本人の同僚と集まってプレーしています。あとは運転免許を持っているのでドライブしたり、映画を観に行ったり、地域の言語交流イベントに参加することもあります。

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世界的な再生可能エネルギーの普及を目指して

Q.イワテックには2019年5月に入社したそうですが、職場環境はいかがですか。

とても働きやすい環境だと感じています。インド人の社員は他に4名いて、社内では日本人の社員とも英語でコミュニケーションをとっています。皆さんとても協力的かつ親切で、受け入れ態勢が非常に整っているという印象です。これからも長く働いていきたいと思いますし、所属しているチームに貢献したいです。他の場所で働きたい気持ちもないので、イワテックが許してくれるなら、いつまでもここで働きます(笑)。

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Q.今後の仕事における目標を聞かせてください。

短期的な目標としては、太陽光発電だけではなく、地熱やバイオマス、水素など、幅広い再生可能エネルギー分野の知識や技術を向上させたいです。そして長期的には、革新的なアイデアを形にすることで、日本だけではなく世界レベルで再生可能エネルギーの普及を進めていきたいと思います。

Q.後輩へのエール

社会に出てから進む道を考える上で、まず自分が何をしたいのかという目的を明確化して見失わないことが大切です。新しい技術や知識を常にアップデートすること、一つのスキルに固執せずチャレンジすることも役に立つと思います。そしてやはり、英語は学んでおいた方がいいですね。自分の人生を謳歌しながら、努力を重ねていきましょう。

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取材日/2022年9月9日 取材はソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行ない、撮影時のみマスクを外しています