丁寧な接客と案内、言葉遣いで 思い出に残る長崎観光を支える

丁寧な接客と案内、言葉遣いで 思い出に残る長崎観光を支える

丁寧な接客と案内、言葉遣いで 思い出に残る長崎観光を支える

『ダイバーシティの最先端で働く若者たち』の第4回をお届けします。
第4回は、Q-bicホテルズ株式会社で活躍する外国人若手社員です。
Q-bicホテルズでは、国籍や性別等の枠にとらわれず個人の能力を発揮できる仕組みや社員同士がダイバーシティを自然と受け入れフォローし合える風土が根付いており、誰もが平等に働きやすい環境が整っています。
就職先を選択する上での新たな発見がこのシリーズを通して見つかるはず。

九州教具グループのホテル事業を担うQ-bicホテルズは、長崎県下で4つのホテルを運営。ネパール出身のグロン・ティリスナさんは「ホテルベルビュー長崎出島」で接客などを行うフロント業務を担当し、日々長崎を訪れる方々を迎えています。日本語学校で学んだグロンさんの話す日本語はとても流暢。長崎の観光情報もスムーズに案内します。ホテルでの仕事内容や来日したきっかけ、長崎での暮らしや今後の目標についてお話を伺いました。

グロン ティリスナさん

九州教具グループ Q-bicホテルズ株式会社

グロン ティリスナさん

ホテルベルビュー長崎出島
ネパール出身 入社3年目

お客さまを臨機応変にサポートするフロント業務

Q.まずはグロンさんの担当している仕事内容について教えてください。

私は長崎市江戸町にある「ホテルベルビュー長崎出島」のフロント業務を担当しています。チェックイン・チェックアウトされるお客さまのご対応はもちろん、ホテル設備のご案内やレストランの補助、電話やメールでの問合せ対応など、幅広い仕事を担当しています。長崎随一の観光スポットである出島の近くという立地から、お客さまから観光情報を尋ねられる機会が多くあります。施設の情報やアクセスなど、事前に把握しておく必要があります。また長崎ならではのグルメやお土産の情報を質問されることも多いです。

2020年4月の入社に合わせて長崎に来た当初は知らないことばかりで、お客さまに質問されても答えられず、よく先輩に対応を引き継いでいました。徐々に仕事やプライベートを通して長崎に関する知識が増えて、以前よりスムーズにご案内できるようになりました。自分自身の成長を感じますし、接客する中でお客さまから直接「ありがとう」や「助かりました」と声をかけていただけるのは大きなやりがいです。

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Q.職場の方の雰囲気や、働く環境はいかがですか。

皆さん本当にやさしい方ばかりで、いつも助けられています。Q-bicホテルス゛では留学生に絞った採用枠や業務はなく、日本人と同じように採用試験を受けて仕事を担当します。接客業として扱う丁寧な日本語を理解するのは難しく、特に敬語は覚えるのに時間がかかりました。そんな中、先輩たちが分かりやすく説明するなどフォローしてくださったことに感謝しています。入社してから半年間、新入社員はコミュニケーションノートを記入し上司に提出します。私はノートによく分からなかった日本語や漢字をメモしていました。毎日上司の方の返答が書き込まれるので、相談しやすい環境でした。九州教具グループでは様々な国籍のスタッフが働いているので、互いに自然と受け入れ、助け合う雰囲気があるように思います。

日本のマナーや接客術を身につけて就職

Q.もともとネパール出身のグロンさんですが、どのようなきっかけで来日されたのでしょうか。

ネパールにいた頃から日本のアニメが大好きで、よくインターネットを利用して見ていました。また知人から日本のいろんな良い評判を聞いていたこともあり、来日することにしました。ネパールで1年間ほど日本語を勉強した後、福岡の日本語学校に入学。そこで語学力を鍛えてから、同じく福岡にある専門学校の九州英数学舘に進学。国際ビジネス学科を選択し、接客術や日本のマナー・ホスピタリティについて学びました。

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Q.専門学校に進学した時点で、現在のようなサービス業での就職を希望していたのでしょうか。

はい。もともとネパールで学んでいた科目と共通点があったこと、そして私の父親がホテルで働いていたことから、仕事としてイメージしやすかったです。専門学校ではサービス業をする上で必要な敬語についても学びましたが、使いこなすのがとても難しく、実際に就職してからも勉強を続けています。

Q-bicホテルズを知ったきっかけは、北九州市で開催された企業説明会です。大分や長崎の旅館でインターンシップを経験し、宿泊業に絞って就職活動をしていたので志望しました。また日本語学校に通っていた頃、友人たちと長崎を旅行したことがありました。とてもきれいな街という印象だったのと、山に囲まれて坂道の多い街並みが、故郷のネパールに似ていると思いました。実際に暮らし始めて、人の温かさを感じています。近所の方とも自然に挨拶を交わすような距離感で、やさしい人柄の方が多いです。

Q.休日の過ごし方についても教えてください。

プライベートでも長崎の観光地を回って楽しんでいます。眼鏡橋や稲佐山、出島、グラバー園など、お客さまからもよく質問される場所を自分で巡ることで、仕事にも役立っています。滞在先の宿泊施設での接客も参考になります。また島原半島に行った際には、小浜の足湯や南島原のイルカウォッチングを体験しました。私の一番お気に入りの場所は稲佐山で、美しい夜景を眺めると気持ちがリラックスします。

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英語力を活かしながら丁寧な接客で活躍

Q.今後の仕事における目標を聞かせてください。

まずは接客術をさらに磨きたいです。観光情報をきちんとご案内するだけではなく、敬語やサービスの面でもレベルアップしたいです。そして最近、コロナ禍で減少していた外国人の観光客の方々が徐々に増えつつあります。もともとネパールで英語は身につけていたので、自分の英語力を活かして外国人の方の案内にも力を入れていきたいと思います。

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Q.後輩へのエール

就職活動をする上で、自信を持つことがとても大事です。いろんな選択肢の中から自分に合った仕事を見つけるのは大変だと思いますが、自分の力を信じて、最後まで諦めずに頑張ってほしいです。きっと素晴らしい仕事に巡り合えると思います。

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取材日/2022年11月15日 取材はソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行ない、撮影時のみマスクを外しています