厳しい訓練を乗り越え生まれ育った長崎の安全な暮らしと命を守る

厳しい訓練を乗り越え生まれ育った長崎の安全な暮らしと命を守る

厳しい訓練を乗り越え生まれ育った長崎の安全な暮らしと命を守る

シリーズ『活躍するなら、ふるさと長崎で』をお届けします。
第4回は「長崎県警察本部」。
地域の安全・安心を各方面から守る長崎県警の機動隊で活躍されている方をご紹介します。
先輩の姿から自分自身が長崎でキラキラと輝く未来をイメージしてみませんか。

地域で暮らす県民の安全・安心を各方面から守る長崎県警察。狭き門の機動隊に所属する山崎さんは、大雨や地震などによる災害時の救助活動や復興活動、治安警備、水難救助など、様々な現場に派遣されて活動します。出動要請があるまでは、仲間とともに日々厳しい訓練の繰り返し。体力だけではなく精神力も求められる、責任の大きな仕事です。これまでの経歴や警察官になろうと思ったきっかけ、警察官の仕事内容、Uターンして感じる長崎の魅力などについてお話を伺いました。

山崎 英さん

長崎県警察本部

山崎 英さん

警備部機動隊第一小隊兼刑事部捜査第一課
長崎県諫早市出身 採用6年目

過酷な現場に出動し、人命を守る仕事

Q.まずは現在の山崎さんの仕事内容について教えてください。

私が所属しているのは警備部の機動隊です。機動隊の仕事は多岐に渡りますが、簡単に言うと大きな災害や事件・事故に対処する役割を担っています。大雨や地震などによる災害時の救助活動や復興活動、デモ隊に並進しての治安警備、他にも水難救助隊や爆発物処理部隊、化学テロ対策部隊、銃器対策部隊として活動することもあります。出動要請があるのは月に数回ですが、過酷な現場に対応できるよう日々厳しい訓練を重ねています。活動エリアは県内全域を中心に、場合によっては県外に派遣されることもあり、広域緊急援助隊に指定されている職員は全国どこでも要請に応じます。

Q.これまで実際に山崎さんが対応した現場はどのようなものでしたか。

例えば2021年に発生した雲仙市小浜町での土砂災害では、行方不明者の方の捜索活動にあたりました。自衛隊や消防と協力しながら10日間、朝から日が沈むまでスコップで土砂を除去。厳しい現場でした。また長崎ならではの現場としては、8月9日の平和祈念式典の警備も行なっています。一般の方だけではなく世界中から要人が集まるため、緊張感があります。爆発物や化学テロに対応する特殊処理部隊として、何かあった際にすぐに出動できるよう現場で待機していました。

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Q.普段はどのような訓練をしていますか。

基本となるレスキュー訓練では、必要な装備品の使い方を習得し、災害時にどのような救助活動をするのか、実際の現場をイメージした想定訓練を行います。突発的な事態への対応力を養うため、訓練中にアドリブで状況を指示されることもあります。私は機動隊に配属されて4年目なので、後輩を指導する立場でもありますが、全て指示するのではなく自分たちで考えて行動することが大切だと考えています。

Q.働く上でどのようなやりがいがありますか。

災害現場で市民の方を救助した際、ご家族の方から「ありがとうございます」と言葉をかけていただけると、厳しい訓練を積み重ねてきて良かったと感じます。また私は兼任で刑事部にも所属しており、誘拐や立てこもりなど大きな事件が発生した際に出動します。他にもいろんな部署の応援要請を受けて派遣されることがあり、同じ警察官の方から頼りにしていただける場面でもやりがいを感じます。責任の大きな仕事ですが、それだけ達成感があります。

心が落ち着く地元に戻り、警察官として活躍

Q.諫早市出身の山崎さん。親戚の影響で物心ついた頃から剣道に親しみ、高校はスポーツ推薦で進学したそうですね。

島原の高校に進学して、毎日とにかく部活しかしていなかったですね。大学でも剣道に打ち込みたいと考えて、関東の強豪大学へ。同じ剣道部には日本代表クラスの人がいて、とにかく強い相手ばかりでした。大学でも、同じく剣道漬けの生活です。

就職活動の時期になっても、将来の夢や目標は正直漠然としていました。企業の説明会に参加してもピンとこなくて、とりあえず身近な家族のいる長崎には戻ろうと。そこで剣道部で鍛えた体力を活かすなら、警察官が適していると考えました。ただ当時は警察の仕事のイメージは交番か刑事くらいで、採用試験に向けて一から調べていきました。

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Q.無事に採用された後、4月から警察学校に入校する形となります。学校での生活はいかがでしたか。

私は大卒だったので期間は6ヶ月間でした。警察学校は時間や規則が厳しく定められていて、自由な大学生活を満喫していたので最初は苦労しました(笑)。ただ1、2週間もすればあっという間に慣れます。勉強内容は座学が中心で、法律関係や実務関係の知識、また刑事事件や交通事件の対処方法などを学びます。他にも柔剣道や逮捕術、拳銃訓練にも取り組みます。最初の1ヶ月間は終業前に特別訓練があり、体力向上を目指して走ったり、腕立てや腹筋といった筋力トレーニングをします。あまり運動経験のない学生は辛そうでしたが、私にはちょうどいい運動くらいの感覚で、剣道の稽古で鍛えた成果がありました。今振り返っても、警察学校での半年間はとても楽しかったです。同期生が60名程度いましたが、一緒に頑張った仲間としての絆が生まれました。

Q.警察学校卒業後、まずは交番勤務となります。山崎さんの配属先はどの交番でしたか。

思案橋の繁華街にある長崎警察署の丸山町交番です。やはり金曜、土曜の夜は特に忙しく、お酒を飲み過ぎた方のトラブルや喧嘩の通報を受けて現場に向かうことが多くありました。1年目の新人警察官は、指導員を担当する先輩警察官とペアになって行動します。右も左も分からない状態でしたが、とにかく先輩を必死で追いかける毎日でした。幅広い場面で手厚くサポートしてくださる先輩で、機動隊出身の柔道経験者ということもあって体格ががっしりしていて、トラブルが起こっても心強かったです(笑)。その後、再度3ヶ月間警察学校で学び、矢上交番での勤務を経て、現在の機動隊に配属されました。

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常に警察官としての自覚を持ちながら行動する

Q.就職にあたって地元にUターンした山崎さんですが、長崎での暮らしはいかがですか。

東京にいた頃は休日も慌ただしい日々でしたが、長崎に戻ってきてからは時間の流れがゆったりしていて暮らしやすいです。また山や海といった自然が身近にあるので、見ているだけで癒されます。休日は家族と過ごすことが多く、息子と公園で遊んだり、買い物をしたりしています。最近アウトドアに手を出し始めて、先日は結の浜でテントを立ててみました。諫早市の実家にもよく顔を出しています。

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Q.警察官として勤務する中で、意識の変化はありますか。

制服を着ている時はもちろん、そうでないプライベートの時間であっても、常に警察官としての自覚を持ってきちんとした行動や振る舞いをしなければならないと考えるようになりました。自分の根本的なところは変わっていませんが、以前より少しは大人になったのかもしれませんね(笑)。

Q.今後の仕事における目標を聞かせてください。

警察官の仕事は多岐に渡ります。機動隊の仕事はもちろん、それ以外にもいろんな分野で活躍できるようになりたいです。例えば生活安全部では、ストーカーやDV、男女間トラブルなどに対応します。自分の力を活かして、これからも地域の安全と安心、そして大切な命を守り続けます。

Q.後輩へのエール

やりたい仕事がある学生はそこに向かって進めばいいと思いますし、迷っている場合はとりあえず興味のある進路に挑戦してみてはいかがでしょう。自分自身、最初から警察官を目指していた訳ではなく、勤務する中でどんどん仕事が好きになりました。続ける中で見えてくるものがあると思いますし、なかなか学生目線で調べても把握しきれない部分はどうしてもあります。まずは思い切って行動してみることも大切です。

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取材日/2023年6月30日 取材はソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行ない、撮影時のみマスクを外しています