新シリーズ『未来に繋がる”成長分野”で働く』をお届けします。
今後の成長が期待される半導体、IT、航空機、海洋エネルギー関連のそれぞれの分野で活躍されている方を4ヶ月に渡ってご紹介します。
第1回は、半導体分野の「ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社」で、製品の量産化に向けて最適な条件を構築する業務に携わる方をご紹介します。
先輩の姿から自分自身が長崎でキラキラと輝く未来をイメージしてみませんか。
諫早市に工場を新設しているソニーセミコンダクタマニュファクチャリング。モバイルデバイス開発部門に所属する田中さんは、スマートフォンに使用されているカメラのイメージセンサーの量産化にむけた開発業務にチームで取り組んでいます。身近な製品に携わる仕事はやりがいが大きく、家族や友人と距離が近い長崎での暮らしにも満足しています。これまでの経歴や就職活動の経験、休日の過ごし方、先端技術に関わる仕事への思いなどについてお話を伺いました。
ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング
株式会社
田中 日香里さん
モバイルデバイス開発部門
長崎県西彼杵郡長与町出身 入社4年目
身近なスマートフォンに使われている部品の開発業務
Q.まずは現在の田中さんの仕事内容について教えてください。
所属しているモバイルデバイス開発部門は、スマートフォンに使用されているカメラのイメージセンサーの開発から製品化まで、一連のプロセスを幅広く手がけています。私はその中でも、製品の量産化に向けて最適な条件を構築する業務を担当しています。どのような構造や条件が最適なのか、いろいろな検証方法を用いて評価しています。
実際の製品化までは半年~1年以上かかるものもあります。とはいえ他社との開発競争に勝ち抜くためには開発スパンが限られていて、決められた期間内で試作品から製品化まで進めていくのはなかなか大変な面もあります。同じ部署のチームで意見を出し合ったり、他部署と改善策を検討したりしながら、みんなで協力しています。
Q.仕事をする上でやりがいはありますか。
スマートフォンというたくさんの人が使っている製品の部品の開発に携わることができて、仕事以外の時間も成果を身近に感じやすい仕事だと思います。また当社は若手社員でも積極的に責任ある仕事に手を挙げることができるので、成長するチャンスが多くあります。そうしたやる気を支える研修制度も整っていて、部門ごとの業務を横断的に学ぶ機会があります。加えて1年目の社員を先輩社員がサポートするチューター制度があり、分からないことはすぐに質問して解決することができます。
Q.入社4年目とのことですが、どのような成長を感じていますか。
1年目はとにかく目の前の仕事だけで精一杯でした。開発業務は複数のプロセスにまたがるため、条件の影響を分析するためには幅広い知識が必要です。徐々に経験を重ねて、3年目くらいから主担当として仕事を任せていただけるようになりました。そして今度は自分が教える側のチューターとして、新人社員をサポートしています。まだまだ私もできないことがありますが、とにかくなんでも気軽に聞いてほしいですし、新しいことにチャレンジして仕事に慣れていってほしいと考えています。
家族や友人に恵まれた地元でやりたい仕事を見つける
Q.西彼杵郡長与町出身の田中さんは、高校で理系を選択し、その後は地元の長崎大学工学部に進学。就職ではなく大学院進学を選ぶ方も多い学部かと思いますが、進路をどのように決めていかれたのですか。
私自身、最初は就職と大学院進学のどちらを選ぶのか迷っていました。そうした中で大学3年の夏に参加したのが、当社のインターンシップです。まさに現在所属しているモバイルデバイス開発部門の仕事を体験し、半導体のフローについて理解を深めることができました。1週間かけていろんな業務を知る中で、会社の雰囲気の良さに魅力を感じて志望しました。そしてインターンシップ期間中に、実際に働いている方とお話する機会もありました。その際、大学院卒も学部卒も担当する業務に差がなく、同じスタートラインから始められると聞いて、就職を選ぶ後押しとなりました。
Q.半導体産業という新しい分野の仕事ですが、職場環境はいかがですか。
長崎に新たな工場を建設している当社は、2023年に新しい棟が完成しました。現在はそちらで勤務していますが、広々としたワークスペースに、オシャレなカフェスペースもあり、より快適に仕事ができる環境となりました。私が参加したようなインターンシップは毎年行われていて、積極的に学生の皆さんを受け入れているので、興味のある方はぜひ一度社内を見学していただければと思います。
Q.慣れ親しんだ長崎での暮らしはいかがですか。
ずっと長崎に住んでいたので、就職するタイミングで県外に出ることも考えましたが、希望通りの企業と出会うことができて結果的に地元就職となりました。家族も地元の友達も近くにいる環境はとても暮らしやすく、今となっては良かったかなと思います。現在は長与町の実家から車で通勤しています。実家暮らしは快適ですが、なかなか自分で料理をする機会が少ないので、社会人になってから友人と料理教室に通い始めました。家族からのリクエストにも応えられるようになってきて、上達を感じています。
自らのスキルアップが後輩への指導に繋がる
Q.休日の過ごし方についても教えてください。
もともと旅行が趣味でしたが、コロナ禍で思うように楽しむことができず、新しくキャンプを始めました。道具を少しずつ揃えて、今では本格的なキャンプ飯や焚き火も満喫しています。長崎県は海も山もあって、いろんな場所にキャンプ場があります。特に南島原市のエコ・パーク論所原は施設がきれいで快適でした。また西海市の四本堂公園キャンプ場からは、遠くにハウステンボスの花火を眺めることができました。
Q.今後の仕事における目標を聞かせてください。
担当している開発業務を中心に、各プロセスに対する知識をもっと身につけたいです。そして今は目の前の仕事をしながら、後輩を育てる立場でもあります。自分が業務を理解し把握していないと、教えたりサポートしたりすることが十分にできません。もっと知識の範囲を増やしていきたいと思います。実際に先輩や上司は、広い視野でスケジュール管理や自部署のフォローをしているので、見習いたいです。そして経験を積み重ねていきながら、仕事を進めるスピードをもっと上げていきたいです。
Q.後輩へのエール
今の職場は学生時代に半導体分野を学んでいない社員が珍しくなく、もともと文系だった方もいます。私自身、工学部出身ですが半導体とは異なる研究分野で、入社後の研修やサポートが充実しているので一からきちんと学ぶことができました。こうした企業の研修制度にも目を向けて就職活動をすることで、新しい選択肢が見つかることもあるかもしれません。
取材日/2023年8月18日 取材はソーシャルディスタンスに十分配慮した上で行ない、撮影時のみマスクを外しています