新シリーズ『長崎らしい職場で働く』を4カ月にわたってお届けします。
第1回は「ハウステンボス株式会社」で、人事考課や社内の意識調査の運用などを担当する社員の方をご紹介します。
先輩の姿から自分自身が長崎でキラキラと輝く未来をイメージしてみませんか。
日本最大級の敷地面積を誇る佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」。自然と調和したオランダの街並みや、家族で楽しめるアトラクション、美しいイルミネーションなどを目当てに県内外から多くの観光客が訪れます。サポート部門の人事部で働く内海さんは大阪府出身。幼い頃から遊園地やテーマパークが大好きで、ハウステンボスの企業説明会をきっかけに「好きなことを仕事にしたい」と考えるようになりました。現在の仕事内容や、好きな仕事を目指した就職活動、大阪から長崎に移り住んでの生活、休日の過ごし方などについてお話を伺いました。
ハウステンボス株式会社
内海 彩さん
人事総務本部 人事部 人事研修課
大阪府出身 入社5年目
ゲストに楽しんでもらえる場所を一緒に作り上げる
Q.まずは内海さんの担当している仕事内容について教えてください。
私は管理部門の人事部に所属しています。現在は企画チームの一員として人事制度の整備や人事考課の運用、社内の意識調査などを行いながら、採用チームや研修チームの業務をサポートすることもあります。業務を通じて会社組織全体を俯瞰して見ることができて興味深いです。ハウステンボスには、社員とパートを合わせて約1,300人の従業員が働いていて、アルバイトも合わせると約2,000人になります。私は入社5年目でまだまだ若手の部類に入るので、特に同年代の若いスタッフの声をきちんとくみ取れるよう心がけています。
Q.仕事をする上での苦労や、やりがいを感じるのはどんな時ですか。
人事部としての評価など、日々のさまざまな業務のDX化に力を入れていますが、スタッフ数が多いため全体に変更点を行き渡らせるのに苦労しています。機械の操作に慣れていない方もいるため、どうすれば新しい仕組みをスムーズに浸透できるのか、日々検討を重ねています。
私はとにかくハウステンボスと会社のことが大好きで、その魅力を会社説明会で就活生に話すこともあります。そうした気持ちを同じ会社で働く他のスタッフにも感じてほしいと思っていて、周りから「働いていて楽しい」という声や、生き生きと働く様子が伝わってくると、大きなやりがいを感じます。
Q.ハウステンボスというテーマパークで働くことの魅力はどんなところですか。
入社のきっかけにもつながりますが、いろんな職種のスタッフが働いていることです。管理部門だけではなく、販売員や調理士、パティシエ、劇場運営、音響・照明の技術係、船の操縦士など、多種多様な立場で活躍しています。そうした仕事の幅広さは魅力の一つです。そして最大の魅力は、自分たちが働いているハウステンボスを、たくさんの人に好きになってもらえる、楽しんでもらえることです。そうした空間作りに、人事部として間接的にでも関わることができて充実した気持ちです。
自分の“好きなこと”を仕事にする
Q.大阪府出身の内海さん。昔から遊園地やテーマパークに慣れ親しんでいたそうですね。
特に印象深いのは三重県にあるテーマパークで、幼い頃から毎年のように家族と訪れていました。それがきっかけでスペイン語に興味を持ち、外国語大学に進学。半年間のスペインでの語学留学も経験する中で、語学の知識だけではなく文化や考え方の違いも学びました。ちなみに学生時代のアルバイト先は、地元の遊園地です。
Q.ハウステンボスに入社したきっかけについても教えてください。
就職活動を始めた当初は将来働くことのイメージが全くできていなくて、とりあえず地元の大阪周辺で企業を探そうと考えていました。そんな時、たまたまハウステンボスの企業説明会が大阪で開催されることを知って、軽い気持ちで足を運びました。そこで話を聞く中で、パーク内にはいろんな職種があること、そして若い人でも挑戦できる社風があることを知って、初めて自分の大好きなテーマパークを仕事にすることの可能性を感じました。説明会の後に早速エントリーして、オンラインで面接に参加。最終面接はオンラインと対面を自由に選ぶことができましたが、ハウステンボスに行ったのは10年以上前だったので、新しくなった施設やアトラクションを実際に見てみたいと、対面での面接を希望しました。前日から滞在して、VRアトラクションやハウステンボス歌劇団など、しっかり満喫してから最終面接に挑みました(笑)。
Q.もともと好きだったテーマパークを運営する会社に入社した感想はいかがですか。
ハウステンボスの成り立ちはテーマパークとしても特徴的で、もともと埋め立て地だった場所に一から土壌改良を行い、木々を植えて作られた施設です。そうした自然との共生を大切にする姿勢は入社後に改めて知ることができましたし、働く上でも誇らしい気持ちです。入社していろんな業務の経験を重ねていく中で、これまで以上に会社のことが好きになっていると思います。
Q.2020年春に入社した内海さんですが、新型コロナウイルスの影響はいかがでしたか。
コロナ禍の影響で、入社式の翌日から3カ月間の休業となってしまいました。初めて地元を離れて長崎に来たばかりだったので不安もありましたが、好きな仕事を頑張りたいという気持ちで耐えることができました。その後は休業明けに研修を受けて、最初は入場ゲート近くのショップにサービススタッフとして配属。当初はパーク全体が閑散としていて、そこから徐々にゲストの数が増えていきました。そうした難しい時期にパークの最前線で働くことができたのは、貴重な経験になりました。
個性豊かな観光地・長崎にあるハウステンボス
Q.大阪から移り住んで、長崎の印象はいかがですか。
すごく素敵な場所で気に入っています。長崎市や波佐見町、平戸市など、佐世保を拠点に県内各地へ遊びに行きましたが、場所によって個性的な魅力がありました。さすが観光地だなと思いますし、そんな観光県である長崎にハウステンボスというテーマパークがあることに必然性が感じられます。
Q.休日はどう過ごしていますか。
私は写真が趣味で、昔からテーマパークのパレードやショーを撮影して楽しんでいました。今はハウステンボス内の風景をよく撮影していて、新たに専用のカメラも購入しましたが、撮影枚数がもう2万枚以上になったのでデータの新しい保存方法を考え中です。ハウステンボスの園内の風景は季節とともに移り変わるので、散歩しているだけでもワクワクします。
Q.今後の目標を聞かせてください。
今はハウステンボスに対してだけではなく、一緒に働いているホストクルーにも愛着を感じています。みんなが会社のことをもっと好きになり、楽しく仕事ができるよう、人事部として環境整備に力を入れていきたいです。もちろん給与や年間休日数などの福利厚生面も大切ですが、休みの日でもふらっと足を運んで癒されるなど、ハウステンボスがみんなにとってより身近で大切な存在になっていけばいいなと思います。私は最初から現場のホストクルーをサポートするような部署を希望していました。幼い頃からテーマパークが大好きで、今でもどこかファン目線というか、支える立場でいたいという気持ちがあるのかもしれません。
Q.後輩へのエール
私は自分のやりたいこと、好きなことを仕事にしたいと思って就職しました。自分の好きなものが分からない人も、例えば昔熱中した体験など、誰しもワクワクする気持ちを抱いた経験はあると思います。そうした思い出がヒントとなって将来につながることもきっとあります。一方で「好きなことを仕事にして、もし嫌いになったらどうしよう」と考える人もいると思います。私自身、そういう不安もありました。でも、実際に就職すると、大好きなテーマパークに対して真剣に向き合って仕事をしている仲間がたくさんいました。そんな人たちと一緒に働くと、この仕事を選んで良かったと実感します。
取材日/2024年4月11日