シリーズ『長崎でスタイリッシュに働く』を4カ月にわたってお届けします。
第1回は、九州初のマリオットブランドのホテル、長崎マリオットホテルを運営する「JR九州ホテルズアンドリゾーツ株式会社」で、主にフロント業務を担当する社員の方をご紹介します。
先輩の姿から自分自身が長崎でキラキラと輝く未来をイメージしてみませんか。
西九州新幹線開業に伴う開発で2024年1月に開業した「長崎マリオットホテル」。長崎駅に隣接する建物は客船をイメージしており、長崎港や稲佐山を一望できます。運営するJR九州ホテルズアンドリゾーツのオペレーション部に所属する磯邉さんは、主にホテルのフロント業務を担当。国籍も年代もさまざまな宿泊客に日本語と英語を駆使し、長崎の魅力を案内しています。地元に世界的ホテルができると知り、得意な英語を生かしたいと入社を決意。現在の仕事内容や洗練された職場環境、就職活動、生まれ育った長崎での暮らしなどについて、お話を伺いました。
JR九州ホテルズアンドリゾーツ株式会社
磯邉 萌花さん
オペレーション部
長崎県出身 入社1年目
国内外から訪れる宿泊客に、日本語と英語で丁寧に対応
Q.まずは磯邉さんの担当している仕事内容について教えてください。
私はオペレーション部に所属しており、チェックインやチェックアウトの対応、お客さまのご案内といったフロント業務を中心に担当。電話対応や1階ロビーで荷物のお預かりもしています。お客さまは年齢も国籍もさまざま。全体の3、4割が外国籍の方で、日本語だけではなく、英語で対応することも多いです。うまく会話を聞き取れないと、適切なサービスが提供できないので、お客さまが言ったことを繰り返すなどし、内容を確認するよう心掛けています。ジェスチャーや明るい表情も意識して取り入れています。ホテルのサービスマンとしてふさわしい、日本語の丁寧な言葉遣いも重要ですが、不慣れな部分があり、まだまだ勉強中です。日本語と英語、どちらの案内も上達できるよう、日々努力を重ねています
Q.仕事をする上で心がけていることや、やりがいはどんなことですか。
フロントは最初にお客さまをお迎えする機会が多く、いろいろな声を直接耳にすることができます。お褒めの言葉だけでなく、お叱りや改善点を含め、しっかりと共有し、今後に生かせるよう心がけています。
お客さまにオススメのちゃんぽんをご案内して、ホテルに戻った際に味やお店の感想を話してくれたことがありました。このような何気ない会話が大きなやりがいやモチベーションにつながっています。有名店だけでなく、ローカルなお店も紹介できるよう、自分なりにリサーチして知識を増やしています。
Q.九州初進出となる長崎マリオットホテルですが、働く立場からどのように感じていますか。
長崎港や稲佐山を見渡す景色は絶景で、施設も新しく、恵まれた職場環境だと受け止めています。スタッフ同士で話しやすい雰囲気もあり、部署を超えて縦横の連携がしっかり取れていると感じています。定期的な上長との面談があり、目標に向けた進捗を確認したり、分からないことを気軽に相談したりすることができ、非常に助かっています。
開業日である「16日」の前後には、スタッフが自由に利用できるラウンジでパーティーが毎月開かれます。季節にちなんだ食事やドリンクが用意され、スタッフ同士の交流を深めています。外国籍のスタッフが講師を務める英語の勉強会もあり、語学力を高めるいい機会になっています。
世界的なホテルのオープニングスタッフとして地元で働く
Q.長崎出身の磯邉さんは、小学生の頃から英語が好きだったそうですね。大学ではどのようなことを学びましたか。
英語を中心に考え、地元の外国語大学に進学。ちょうど入学時がコロナ禍となり、1、2年次はほとんどオンラインでの講義でした。ビデオ通話で外国籍の方とコミュニケーションをとる機会はありましたが、念願だった留学には行くことができませんでした。「このまま英語を学び続けていいのか」と迷っていた時期、母がフランス旅行に連れて行ってくれました。初めての海外で、ほとんど英語を話せない母の案内役を務め、英語を学ぶモチベーションが高まりました。4年次には一人でフランスに2ヶ月間滞在。大学生活を通じ、かなり英語力が向上したと実感しています。
Q.JR九州ホテルズアンドリゾーツに入社した経緯についても教えてください。
もともと英語を生かせる仕事としてCAを目指していましたが、長崎にマリオットホテルが進出することを耳にし、世界的ホテルのオープニングスタッフになりたいと興味を持ちました。そこからホテル業について情報を集め、地元のホテルで1週間インターンシップに参加。荷物の持ち運びや各部署との連携など、思っていた以上に体力が必要な仕事だと痛感しました。同時にお客さまをお迎えするサービス業が楽しく、自分に合っていると実感。ホテル業に切り替え、就職活動を進めました。そして、長崎マリオットホテルを運営するJR九州ホテルズアンドリゾーツに念願叶って入社することができました。
Q.入社後の研修についてはいかがですか。
最初にホテル内の各部署を回って研修を受け、配属が決定します。その後、一人ずつ先輩社員とペアとなり、業務の基礎を学びます。接客や言葉遣いなど、一から覚えるのに苦労しましたが、厳しくも温かいアドバイスで徐々に上達できました。今も先輩方に指導をいだきながら、さらなるレベルアップを目指しています。勤務は朝と夜のシフト制。定期的に連休があるので、しっかりリフレッシュできます。生活リズムにも慣れ、諫早の自宅から、長崎駅に隣接する職場まで通勤はとてもスムーズです。
プロのホテリエとして、時代に応じた臨機応変なサービスを提供
Q.地元の大学に進学し、そのまま就職となりましたが、最近の長崎の変化をどう受け止めていますか。
すごく活気が生まれていると感じます。特に長崎駅周辺の開発は目まぐるしく、驚いています。お客さまに長崎スタジアムシティなど、新しい施設を案内するのは私自身も楽しく、地元が活性化していることは非常に嬉しいです。ホテルで働くようになり、路面電車やバスといった交通機関の利便性が高い街だと改めて感じました。時刻表や路線図だけではなく、一日乗車券の情報などもお客さまにお伝えしています。
Q.休日の過ごし方についても教えてください。
休みの日は外出することが多いです。犬を飼っており、自然に囲まれた公園に足を伸ばし、自由に走らせています。自分も歩いて体を動かし、いい気分転換になっています。友人とドライブがてらカフェに行くこともあり、そこで得た情報は覚えておき、お客さまのご案内にも役立てています。
Q.今後の目標を聞かせてください。
フロント業務としては、お客さま情報を管理するシステムの理解を深め、よりスムーズに操作できるようになりたいです。そして、プロのホテリエとして、日本語や英語の語学力はもちろん、時代の変化に応じて求められるサービスに臨機応変にも対応し、お客さまひとりひとりに合わせたサービスが提供できるよう、これからも頑張りたいです。
Q.後輩へのエール
私は希望するホテル業に絞って就職活動をしましたが、もっと視野を広げて企業を探す方法もあったと思います。大学生のうちにアルバイトなど、いろいろな経験をすれば、進路を考える参考になるはずです。また具体的な業務が体感できるインターンシップには、ぜひ参加してほしいです。私は一カ所だけでしたが複数参加すれば、さまざまな業種や企業を比較でき、勉強できるのではないでしょうか。
取材日/2024年12月5日