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まちブログ
長崎からエールを

自分の好きなこと得意なことで、与え続ける人に~理学療法士・竹口耕輔さん~

理学療法士、ホワイトボード落語アーティスト、筆書き、DJ。

一見繋がりが無いような活動ですが、理学療法士を軸に、これらの活動で長崎に元気を与えている方がいます。

今回ご紹介するのは、理学療法士の竹口耕輔さん

利用者の方に向けて紙芝居を行う、理学療法士の竹口さん
利用者の方に向けて紙芝居を行う、理学療法士の竹口さん

理学療法のお仕事をされながら、独自の経験と特技で活動を広げる竹口さんに、お話を伺ってきました。

おじいちゃんおばあちゃんが望む生活のお手伝い

2012年から理学療法士としての活動を始めた竹口さん。理学療法士になったきっかけは、学生の頃に見ていた医療関係の番組でした。手術で患者の命を救う姿に憧れ、医療系の道を志すようになります。

進路を決める時期になった頃、医療に関わる現場で働いている母から理学療法士の道を進められました。

竹口さん「医者ではないけど、同じ医療系の職業だから人を助けられると思いました。それをきっかけに学校への入学を決めて、理学療法士の道に進みました」

それから約10年間、理学療法士として様々な利用者さんと向き合ってきた竹口さん。理学療法士の魅力を語ってくださいました。


竹口さん「魅力はやっぱり人助け。その一点張りですね」

理学療法士は、病院とデイサービスや老人ホーム等の施設で、それぞれ役割が変わります。竹口さんはデイサービスに勤める理学療法士。その魅力を続けて語ってくださいました。

竹口さん「病院では『治療する』『社会復帰させる』ことが役割だけど、僕の場合は利用者さんのニーズを叶える手伝いが役割になります。例えば、上の棚にあるものを取りたいけど、肩関節周囲炎だから取れないという方がいれば、マッサージをしたり、おもりを使った腕を上げる運動のお手伝いをするんです」

デイサービスで利用者の方に説明を行う、竹口耕輔さん

竹口さん「家の前の階段が十段あるけど、両膝を痛めていて登るのがつらいという方がいれば、その人の体の状態に合う筋肉のトレーニングを提案して、痛みを和らげ登れるようなお手伝いをします」


目で見て楽しめる、ホワイトボード落語

読者の皆様も気になっていることでしょう。

ホワイトボード落語って何?

ホワイトボード落語とは、竹口さんが考案した新しい落語のスタイル。聞いて楽しむ要素が多い一般的な落語に、ホワイトボードを加えて視覚的な情報を増やしました。落語に出てくる登場人物をホワイトボードに描き、誰が話しているかを分かりやすくした落語です。

ホワイトボード落語を行う、竹口耕輔さん

このホワイトボード落語を始めたのは、デイサービスにてクリスマス会の出し物をお願いされた時がきっかけでした。

竹口さん「元々演劇やコントを10年くらいやっていたので、その経験を活かして、おじいちゃんおばあちゃんが喜びそうな出し物を考えてみました。その時、最初に思いついたものが落語でした。YouTube見て練習を初めて、完コピしてクリスマス会で披露したんです」

その日に竹口さんが披露したのは、『饅頭怖い』という落語でした。高齢の方が好きそうな落語を披露してみたものの、想像していたよりも手応えがなく、内容を理解している方が少ないように感じたと、竹口さんは言います。

竹口さん「理解してもらえなかった部分を改善したいと考えた時に思いついたのが、視覚へのアプローチでした。理学療法士をしていく中で、目が悪くて転倒する人が多かったことを思い出して。五感のうち約85%を視覚が占めるとも言われるし、視覚の情報を増やしてあげられるともっと落語を楽しんでもらえるかもしれないと考えたんです」

ホワイトボード落語を行う、竹口耕輔さん
ホワイトボード落語の様子

高齢者の方が喜ぶ方法を竹口さんの得意なことと経験から生み出したのが、このホワイトボード落語でした。現在ではデイサービス時だけでなく、オンライン配信で披露する機会も増えています。


自分の特技で人を助けたい

理学療法士として活動する傍ら、筆書きDJの活動も行っている竹口さん。

小学校の頃から得意だった筆書きと大好きな音楽で、さらにその活動を広げます。

竹口さん「人のために筆書きを使いたいと思っていた時に、LINEライブのオーディションを受けていたんです。そこで筆書きの活動の発信も始めました」

ライブ配信時に書いて欲しい言葉をコメント募集。視聴者の方のリクエストに答えて、多くの作品を書きあげました。作品を気に入った方には無料で送ることもしていました。

竹口さんが書いた筆書き作品
竹口さんが書いた作品①

竹口さん「表札やご祝儀、子どもの名前など、書いて欲しいものがあればいつでも書きますし、何より自分の能力で役に立てることが楽しいので、これからも続けていきます」

竹口さんが書いた筆書き作品
竹口さんが書いた作品②

竹口さん「DJを始めたきっかけは、単純に音楽好きだったからです。DJをやり始めると、理学療法士の活動に活かせる可能性も見えてきました。」

懐かしいことを体験することで、認知機能を維持する効果が得られる回想法。今後はDJと回想法を組み合わせて、利用者の方の認知症予防にアプローチをかけていきたいと竹口さんは語ります。

竹口さん「懐かしいと感じる曲をの高齢者の方の横で流しながら、認知症の改善を、個別で行っていけると喜んでもらえると考えました」

竹口さんのDJの様子

今回は、理学療法士の竹口耕輔さんをご紹介しました。

自身の経験や、得意なことや好きなこと。それをフルに生かし活動を広げる竹口さん。人に与え続ける姿から、Giverの精神が長崎中に伝播していって欲しいと感じました。

竹口さんの今後の活動にも注目です!


私もりきちがナガサキエールにて更新する記事では、「暮らしと商い」をテーマに、長崎で働き暮らす方をご紹介していきます。様々な職種の方が長崎で商いを始めるに至った経緯や想い、また、長崎での暮らし方や関わり方をヒントに、読者の皆様が、長崎での働きと暮らしをより豊かにするきっかけにしていただけると嬉しいです。

最後まで読んでくださりありがとうございました!
次回もお楽しみに!

理学療法士の竹口耕輔さん

竹口耕輔さん

理学療法士 / ホワイトボード落語アーティスト / 筆書き / DJ

ライター紹介

自分の好きなこと得意なことで、与え続ける人に~理学療法士・竹口耕輔さん~

もりきち

【アカペラクリエイター/ライター】として活動中。「アカペラで長崎を元気に!」を掲げ活動するアカペラクリエイターチーム「ハモらんばプロジェクト」の代表。長崎のでっちあげメディア「Decchi」編集部。