「背筋をピンと伸ばしなさい!」
これまでずうっと言われてきた言葉だ。そして今でも言われ続けている。何を隠そう、僕は猫よりも猫背なのだ。
猫背だとどこか自信のないように見えるし、背中がぐうっと曲がったお年寄りを見かけるととてつもなく大きな不安に苛まれる。これが健康ではないことは、小さな頃から分かっていた。
外を歩くときは意識して背筋を伸ばせど、読書や執筆に夢中になると途端に背中は丸くなる。いつも通りや習慣といった類は、どこまでも恐ろしい。
できることなら少しでも健康でいたい。けれども、できることなら努力はしたくない。そう考えているのは、きっと僕だけじゃないはずだ!……いう願望にも似た疑問を引っさげて、からだづくりで生計を立てている人に話を聴きに行くことにした。
今回のテーマは、”からだづくり”と”個人事業”の話。
長崎市稲佐町で整体サロン「Flow」を営む、中島祐樹さんにインタビュー。前編となる今回はからだづくりの話。そして後編となる次回は、個人事業の話を中心に特集していきます。
Flowの事業内容について教えてください。
中島:色んなことをやっていますが、まず整体やパーソナルトレーニングです。歳をとってもケガをせず、好きなことができるからだづくり。これは外からのアプローチなのですが、もうひとつはパンやコーヒーを使って、内側から栄養素を取り入れて行うからだづくり。からだの内と外から、より良い健康状態を保つための働きかけをしています。
長野:整体って、正直名前は知っているけれどイメージが湧いてなくて…既に肩こりや腰痛でお悩みの方に対して、施術を行う感じなのでしょうか?
中島:もちろんそういった場合もありますし、あとは予防ですね。アスリートは柔軟性がないとケガをしやすいとか、思ったようなパフォーマンスを披露できないとか。関節の可動域を広くするようなストレッチなどもそれにあたります。
長野:ということは、年齢層もかなり広そうですね…!
中島:年下だと、15歳の高校生くらい。逆に年上だと、80代の方もいらっしゃいますね。中央値が40~50代くらいだと思います。
長野:年齢層も広いし、住宅地にあるサロンということで、ご利用される方の入り口もそれぞれ違うような気が…どこで広告を出そう!とか、悩まれたりしませんか?
中島:そうですね、今はホットペッパーを使っているんですけど、それも来月で打ち止めの予定です。どんなところからお客さんが来てくださっているのかという情報が見えてきたので、次はそのエリアを中心にビラを配ったりしようと思ってます(笑)。
長野:サロンを飛び出して出張されたり、という場合もあったりするんでしょうか?
中島:コロナ禍の影響もあるので、最近はほとんどないですね。新規の方はお断りさせていただいているのですが、市外だと大村高校の方で部活動のサポートをさせてもらってます。
長野:学校!となると、対個人というよりは集団に向けて?
中島:1対40とか、多いときは60人くらいですね(笑)。その場合は、ティーチングとコーチングを合わせたようなイメージでしょうか。1年生には筋トレの基礎的な部分を教えて、2,3年生には「どうなりたいか」をヒアリングしながら、目的にあったトレーニングを勧めます。
長野:自分たちで目標を定めていくことで、精神的な成長も促せそうですね。
中島:若干ではありますが、起業の考え方を取り入れてます。何をしたいのかを定めて、それからルートを子どもたちに考えてもらう。目標を達成するために必要な武器を自分で身につけてもらう、というスタンスでサポートしています。もっと言えば、社会人になった後にも生きるようなからだづくりを教えられたらと思ってます。
無理をしないこと、突き抜けることもバランス
僕たちが部活動に取り組んでいた頃(10年くらい前)も外部のコーチこそいたけれど、それは技術的な教えがほとんどだった。昨年取材させていただいたスポーツメンタルコーチの荒木望美さんも然り、各校・各部活動でプロに依頼するという考えが浸透してきているのかもしれない。
中島:僕も先日、荒木さんとZoomでお話しさせてもらったんです。そこから僕もコーチングに力を入れようかな…と思ったのですが、まだまだ長崎ではコーチング系は少ないみたいですね。
長野:整体、トレーニング、パン、コーヒーとからだへのアプローチを行われていますが、こころにアプローチするコーチングにも興味があったりするんでしょうか?
中島:めちゃくちゃありますよ(笑)。ただ、僕がメンタルの部分をかじるより、できれば一緒にやれたらなと。プロにお願いした方が相乗効果は高いのかなと思っています。
長野:中島さんが行われているパーソナルトレーニングについてお聞かせください。
中島:まずはカウンセリングで、「どういう風に痩せたい」とか「どこの筋肉を鍛えたい」とか、それにあったトレーニングを教えていくイメージです。あとは、食事管理とか…ぜんぶ見ますね。
長野:僕がイメージしてる食事管理というと、かなり制限を設けられるイメージが強くて……あるタイミングでものすごくリバウンドするとか、そういった先入観もあるんですよね(笑)。
中島:たしかにイメージされてる方法もありますが、急激に食生活を変えてしまうと心身ともに負担が大きいんです。我慢を強いちゃうので。僕のサロンでは、まずは大雑把に記録をつけてもらいます。簡単に言えば、レコーディングダイエットのような感じですね。
長野:ダイエットも節約も、書くだけで変わるって言いますよね!
中島:そこからいきなり制限はせず、どれくらい自分が食べているのかを知ってもらうところからですね。タンパク質が足りていなければちょっと足したり、慣れてきたら脂質を少し減らしましょうとか。少しずつ身体が慣れてくるので、楽しくなるんです。
長野:中島さん自身も、実践されてるんですか?
中島:僕は書いたりしないんですが、ある程度計算しながらやってますよ。でも、お菓子とかはめちゃくちゃ食べます(笑)。
長野:意外でした!…ということは、食べた分動くってところでバランスを取られてるんですかね。逆に、お菓子を食べないときはトレーニングの量は減らしてるとか…?
中島:ん~、がっつりやっちゃいますね(笑)。好きなもの食べたいがためのトレーニングでもいいんじゃないかなと。そういう身体をつくってしまえば、ハンバーガーを食べても簡単には太りませんよ!
長野:フラペチーノも…。
中島:飲み放題ですね(笑)。
長野:以前、薬膳師の方にもインタビューをさせていただいたのですが、「食べた分筋トレする」と似たようなことを仰ってて。薬膳師でもハンバーガーは食べますと(笑)。ストイックに取り組むことも大事だけど、食べたいものを食べるとか、手抜きしたいときは手抜きするとか。みなさん、それをどこで取り戻すかを大事にされているのかなと思います。
中島:ストイックな人もいるので、本当に人それぞれですよね。筋肉でもありますよ、大会に出る人とか。
長野:ただ、ここで教えてもらって「はいOKです!」では意味がないですよね?それを自分の生活にどう落とし込んでいかないと……それ、僕の一番弱いところなんですよね(笑)。
中島:その楽しさが見えてくるまでには少し時間もかかりますもんね。初心者の壁というか…それを乗り越えられると良いと思います!
前編となる今回は、中島さんの事業についてお伺いしました。後編では、中島さんの代名詞とも呼べる「ダンベルパン」の誕生秘話や、不登校などを経験して個人事業主という選択肢を選んだ理由を深掘りしていきます。
会社員を選ぶのか、個人事業主を選ぶのか。
これから進路を考えていく学生のみなさんや、自分が好きなこと・得意なことで独立をするか悩んでいる方はぜひ、次回・後編の記事も読んでいただけたら嬉しいです!
ストレッチ整体Flow | ホームページ |
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